不整脈の漢方薬処方

過労やストレス、喫煙やコーヒーの飲みすぎなど、精神や身体に刺激を受け続けると、不整脈という症状が現われやすくなります。

実証の処方

不安やイライラなどの神経症状、動悸、肩こり、便秘、肋骨下の圧痛や不快感などの症状がある方は「柴胡加竜骨牡蛎湯」が候補になります。

虚実間証の処方

手足のほてりや皮膚の乾燥、口が渇く、便秘傾向などにある方は「炙甘草湯」、抑うつ症状や神経症のある方は「四逆散」、気うつだったり不安感が強かったり、咽や胸につかえる感じがある方は「半夏厚朴湯」、加えて腹部に動悸がある方は「香蘇散」が候補になります。

虚証の処方

貧血傾向にある場合、不安や不眠傾向にある方は「木防已湯」か「加味逍遙散」、体力低下、倦怠感、冷えがある方は「人参養栄湯」か「苓甘姜味辛夏仁湯」。
気力・体力が低下し、食欲不振で皮膚が乾燥しているような方は「十全大補湯」が候補になります。

 

虚実証とは

その人が生まれながらに持っている要素を「証」として分類したのが虚実証です。


実証
体格・骨格がガッチリしていて、筋肉量も多く、胃腸が丈夫な方。


虚証
体格・骨格が弱々しく、筋肉量も少なく、胃腸虚弱な方。


虚実間証
体格・骨格、筋肉量が普通で、胃腸も問題ない方。


自分が実証だと思う方は「実証~虚実間証」、虚証だと思う場合は「虚実間証~虚証」と判断すると漢方薬の選択が広がります。

陰陽証とは

陽証
冷たい飲み物や寒冷刺激を好む方、風邪で熱が出た時、身体が熱くなる方


陰証
温かい飲み物や温暖刺激を好む方、風邪で熱が出た時に寒くなる方


病気の進行状況によっても陰陽の表現が使われ、症状が強く現われる進行期を陽、病状が落ち着いてきた時を陰として判断する場合もあります。

気血水とは

漢方では気と血と水がバランス良く体内を流れることで健康を保つと考えられています。 「気」は根本的な生命エネルギーを表し、心身の活力や免疫に影響します。
「血」は血液やその機能、それによって運ばれる栄養、ホルモンなどを表します。
「水」は血液以外の体液や体内の水分、リンパ液や消化液、尿や汗などの機能を表しています。


気虚…気の量が不足し活力が低下している状態


気逆…気が上へと逆流している状態


気うつ(気滞)…気の流れが悪くなっている状態


瘀血…血流が悪くなり停滞している状態


血虚…血の量や機能が低下している状態


水滞(水毒)…余分な体液が体内に溜まった状態