糖尿病の漢方薬処方
漢方薬治療において血糖値を下げるような処方はありません。
主に血流障害の改善や、口渇、多尿、倦怠感など糖尿病による合併症を予防することを目的にしています。
実証の処方
口が渇く、多汗、ほてり、かゆみ、尿量の増幅などの症状がある方は「白虎加人参湯」、肥満傾向で便秘気味の方は「防風通聖散」、肋骨下の圧痛や不快感、便秘、頻尿で尿量が減少しているような方は「大柴胡湯」が候補になります。
虚実間証の処方
口が渇いたり粘つく、食欲不振や吐き気、下痢などの症状がある方は「柴苓湯」か「五苓散」が候補になります。
虚証の処方
口が渇いたり粘つく、食欲不振、疲労感、多汗などの症状がある方は「柴胡桂枝乾姜湯」、下半身の脱力感、体力低下、冷え、排尿障害などがある方は「清心蓮子飲」が候補になります。
血流障害の改善処方
実証の方で便秘傾向でのぼせる方は「桃核承気湯」、虚実間証の方でのぼせ症状がある方は「桂枝茯苓丸」、虚証の方で冷え、貧血、むくみがある方は「当帰芍薬散」が候補になります。
神経障害の改善処方
虚実間証の方で手足のしびれや痛みがある方は「疎経活血湯」、虚証の方で冷えや手足のしびれや痛みがある方は「桂枝加苓朮附湯」か「八味丸(八味地黄丸)」、加えてむくみがある方は「牛車腎気丸」が候補になります。