眼精疲労の漢方薬処方

最近は液晶画面の見すぎによるドライアイなどの症状も増えていますが、漢方治療では加齢による初期の老眼や、初期の白内障などを扱います。

実証の処方

みぞおち下の圧痛や不快感、便秘、肩こり、焦燥感などがある場合「大柴胡湯」が候補にあがります。

虚実間証の処方

みぞおち下の圧痛や不快感ががる場合で、のぼせや肩こりがある方は「柴胡桂枝湯」、口が苦い方は「小柴胡湯」。
立ちくらみやのぼせ、動悸や口が渇くような方は「苓桂朮甘湯」が候補になります。

虚証の処方

みぞおち下の圧痛や不快感、口が渇くなどの症状や腹部の動悸などがある方は「柴胡桂枝乾姜湯」。
腹壁が弱く、顔色が悪くて疲れやすい方は「補中益気湯」。
下半身の脱力感がある場合で、夜尿がある方は「八味丸(八味地黄丸)」か「滋腎明目湯」、むくみや疼痛が強い方は「牛車腎気丸」が候補になります。

 

虚実証とは

その人が生まれながらに持っている要素を「証」として分類したのが虚実証です。


実証
体格・骨格がガッチリしていて、筋肉量も多く、胃腸が丈夫な方。


虚証
体格・骨格が弱々しく、筋肉量も少なく、胃腸虚弱な方。


虚実間証
体格・骨格、筋肉量が普通で、胃腸も問題ない方。


自分が実証だと思う方は「実証~虚実間証」、虚証だと思う場合は「虚実間証~虚証」と判断すると漢方薬の選択が広がります。

陰陽証とは

陽証
冷たい飲み物や寒冷刺激を好む方、風邪で熱が出た時、身体が熱くなる方


陰証
温かい飲み物や温暖刺激を好む方、風邪で熱が出た時に寒くなる方


病気の進行状況によっても陰陽の表現が使われ、症状が強く現われる進行期を陽、病状が落ち着いてきた時を陰として判断する場合もあります。

気血水とは

漢方では気と血と水がバランス良く体内を流れることで健康を保つと考えられています。 「気」は根本的な生命エネルギーを表し、心身の活力や免疫に影響します。
「血」は血液やその機能、それによって運ばれる栄養、ホルモンなどを表します。
「水」は血液以外の体液や体内の水分、リンパ液や消化液、尿や汗などの機能を表しています。


気虚…気の量が不足し活力が低下している状態


気逆…気が上へと逆流している状態


気うつ(気滞)…気の流れが悪くなっている状態


瘀血…血流が悪くなり停滞している状態


血虚…血の量や機能が低下している状態


水滞(水毒)…余分な体液が体内に溜まった状態