女性の更年期障害の漢方薬処方
更年期障害は女性ホルモンの減少に伴う自律神経の乱れが原因となり、様々な不調を感じることが多くなるといった症状が特徴で、ホルモン治療が一般的ですが、副作用のリスクも高まる可能性があります。
こういった場合に漢方薬治療の需要が高まっています。
実証の処方
便秘がちでのぼせ症状やヒステリーがある方は「桃核承気湯」、睡眠障害があり口の中が粘つき便秘もある方は「柴胡加竜骨牡蛎湯」、頭痛、肩こり、抑うつ症状や精神不安、めまいなどがある方は「通導散」が候補になります。
虚実間証の処方
のぼせ症状、肩こり、月経異常、発作的に身体が熱くなるなどの症状がある場合は「桂枝茯苓丸」、頭痛、抑うつ症状や精神不安、のぼせ症状、めまいなどがある方は「女神散」が候補になります。
虚証の処方
神経過敏で不安感などの神経症状がある場合で、発作的に身体が熱くなる、肩こり、頭痛、めまい、イライラして怒りやすい、発汗などの症状がある方は「加味逍遙散」、イライラして怒りやすい、不眠症などの方は「抑肝散」、胃腸が弱い方は「抑肝散加陳皮半夏」、のぼせや動悸、不眠症などの方は「桂枝加竜骨牡蛎湯」、ヒステリーや不眠症の方は「甘麦大棗湯」が候補になります。
冷え性の場合で、むくみやめまし、貧血傾向にある方は「当帰芍薬」、貧血気味で唇が乾燥している方は「温経湯」、手足が特に冷える方は「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」が候補になります。
めまいやのぼせ、動悸などがある場合で、頭痛や立ちくらみがある方は「苓桂朮甘湯」、耳鳴りがあったりすぐ動揺してしまう方は「半夏白朮天麻湯」や「釣藤散」が候補になります。
