男性の更年期障害の漢方薬処方
更年期障害というと女性特有のものと思われがちですが、もちろん男性の場合でも特に原因が見つからないのに様々な不調を感じる、といった症状が現われることがあります。
こういった場合、西洋薬ではアプローチしにくく漢方治療が有効です。
実証の気うつ処方
体力や胃腸が人より頑丈な実証の方の場合、気うつ(気滞)という身体の気が停滞していることが考えられます。
肋骨下に圧痛や不快感があり、抑うつ、不安感、イライラ、不眠などの症状がある場合は「柴胡加竜骨牡蛎湯」が候補にあがります。
虚証の処方
気が逆流する「気逆」の場合、神経過敏で不安感があり、のぼせや不眠、動悸などがある方は「桂枝加竜骨牡蛎湯」、疲れが取れない、食欲不振、倦怠感がある方は「補中益気湯」が候補になります。
腎は気を蓄える場所とされており、これが弱っている「腎虚」という症状の場合、まずは「八味丸(八味地黄丸)」、手足がほてりしびれる方は「六味丸 (六味地黄丸)」、冷えてむくみ痺れもあるような方は「牛車腎気丸」が候補になります。