前立腺肥大の漢方薬処方
主に60歳以上の高齢の方に頻発する病気の一つで、前立腺には尿道が通っているため、この器官が肥大すると排尿障害が起こりやすくなります。
主な治療法は外科的な手術によって前立腺を切除しますが、漢方薬ではこの手前のまだ症状が軽い時期に用いられたり、外科手術後の再発防止などにも用いられます。
実証の処方
得てして便秘傾向にあり、特に排尿が困難で頻尿、排尿痛もあるような方は「大黄牡丹皮湯」、排尿障害に加えて手足の冷えやのぼせがある方は「桃核承気湯」が候補になります。
虚実間証の処方
排尿困難で尿量が減少し、血尿、残尿感があり口が渇くような方は「猪苓湯」。
頻尿で多尿、肩こりや手足の冷え、のぼせなどがある方は「桂枝茯苓丸」が候補になります。
虚証の処方
夜に用便を足すために目が覚める、排尿後に不快感があるような場合で、冷え性や腰の脱力感がある方は「八味丸(八味地黄丸)」、むくみや排尿障害が強い方は「牛車腎気丸」が候補になります。