肩こりの漢方薬処方
初期の肩こりは例え症状が出ても一定時間で回復しますが、長時間同じ姿勢で作業するデスクワーク等を続けたり、精神的なストレスが加わり続けることによって慢性化しがちです。
肩こりが問題なのは、その影響が広い範囲に響き、頭痛や冷え、痺れなどの症状を誘発し、精神的にもつらくなることです。
漢方の治療は、風邪の初期に出るような肩こりにも有効で、全体的にコリにくい身体作りをサポートします。
実証の処方
疲れやすく食欲不振の場合で、口臭が強くなった方は「四逆散」、便秘症状が出てきた方は「大柴胡湯」や「続命湯」。
首周りがこわばり、汗をかきにくいような方は「葛根湯」、のぼせ症状があり、便秘や月経異常などがある方は「桃核承気湯」。
肥満傾向で、頭痛や胸焼け、便秘傾向にある方は「防風通聖散」が候補になります。
虚実間証の処方
コリが強い方は「芍薬甘草湯」、五十肩の方は「二朮湯」、のぼせたり月経異常がある方は「桂枝茯苓丸」、少し冷えるような方は「疎経活血湯」が候補になります。
虚証の処方
のぼせ症状がある場合で、肋骨下に圧痛や不快感があり口が苦くなるような方は「柴胡桂枝湯」、関節が痛んだり何もしないのに汗をかいたり、冷え性があるような方は「桂枝加朮附湯」。
虚弱体質で神経症状(不安やイライラなど)が強い方は「香蘇散」や「釣藤散」、頭痛や頭重感、貧血や冷え性などある方は「当帰芍薬散」や「苓姜朮甘湯」が候補になります。