口内炎・口臭の漢方薬処方

口内炎・口臭共に口腔内の異常や胃腸障害に影響されやすく、それらの異常に気づくためのサインにもなります。
ただし口臭は鼻炎などの炎症がある場合、自分の口臭に過敏反応してしまうこともあるので、その場合は鼻炎や副鼻腔炎などの治療が必要です。

実証の処方

上腹部につかえ感がある場合で、口内炎が頻繁にできる方は「黄連解毒湯」、便秘やイライラ、ゲップが臭う方は「三黄瀉心湯」が候補になります。

虚実間証の処方

まず強い口臭があり、肌荒れや胃のつかえ感がある方は「温清飲」。
ゲップが臭い慢性的な胃炎症状を持っている方は「半夏瀉心湯」か「清熱補血湯 」。
舌に黄色い苔が付いていて吐き気もある方は「黄連湯」。
口内炎が頻発し、胃に水がたまっている感じの方は「呉茱萸湯」。

虚証の処方

ゲップが臭う、食欲不振で胃が落ち着かない方は「甘草瀉心湯」。
胃痛やつかえ感、下痢を伴う方は「人参湯」。
肌荒れ、顔色が悪い、イライラする、月経異常などの症状がある方は「四物湯」。
うつ症状を持つ方は「香蘇散」。

 

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虚実証とは

その人が生まれながらに持っている要素を「証」として分類したのが虚実証です。


実証
体格・骨格がガッチリしていて、筋肉量も多く、胃腸が丈夫な方。


虚証
体格・骨格が弱々しく、筋肉量も少なく、胃腸虚弱な方。


虚実間証
体格・骨格、筋肉量が普通で、胃腸も問題ない方。


自分が実証だと思う方は「実証~虚実間証」、虚証だと思う場合は「虚実間証~虚証」と判断すると漢方薬の選択が広がります。

陰陽証とは

陽証
冷たい飲み物や寒冷刺激を好む方、風邪で熱が出た時、身体が熱くなる方


陰証
温かい飲み物や温暖刺激を好む方、風邪で熱が出た時に寒くなる方


病気の進行状況によっても陰陽の表現が使われ、症状が強く現われる進行期を陽、病状が落ち着いてきた時を陰として判断する場合もあります。

気血水とは

漢方では気と血と水がバランス良く体内を流れることで健康を保つと考えられています。 「気」は根本的な生命エネルギーを表し、心身の活力や免疫に影響します。
「血」は血液やその機能、それによって運ばれる栄養、ホルモンなどを表します。
「水」は血液以外の体液や体内の水分、リンパ液や消化液、尿や汗などの機能を表しています。


気虚…気の量が不足し活力が低下している状態


気逆…気が上へと逆流している状態


気うつ(気滞)…気の流れが悪くなっている状態


瘀血…血流が悪くなり停滞している状態


血虚…血の量や機能が低下している状態


水滞(水毒)…余分な体液が体内に溜まった状態