めまいの漢方薬処方
めまいの症状として主に以下の3つに分類されます。
- 回転性 … 周囲がグルグル回るような感覚や、目を閉じると宙に浮いているような感覚
- 立ちくらみ … 立ち上がった時に起こる。低血圧や貧血を伴うことも。
- 突然性 … 座っているときや何かの動作をしている時に起こる
漢方ではめまいを「体の中に余計な水分が溜まっている」=水滞(水毒)として考え、めまいの種類によって処方を選択していきます。
高齢者の場合はまずは「八味丸(八味地黄丸)」、中高年の場合は「釣藤散」から試すのも良いと思います。
回転性めまいの処方
虚実間証や実証の場合、お腹に水が溜まる感覚があったり、吐き気やむくみ、尿量減少や口が渇くなどの症状がある場合は「沢瀉湯」か「五苓散」。
虚証の場合、手足が冷える、下痢、ムクミ、フラフラするなどの症状がある方は「真武湯」か「連珠飲」。クラッとする方で、頭重感や胃腸虚弱の方は「半夏白朮天麻湯」、色白で月経不順などもある方は「当帰芍薬散」が候補にあがります。
立ちくらみの処方
立ちくらみの場合、貧血症状を持つ方が多いので、貧血の漢方薬処方を参考にして下さい。
簡単な処方としては虚実間証の場合「苓姜朮甘湯」が候補にあがります。
突然性めまいの処方
実証の場合、高血圧、動脈硬化、のぼせ症状などがある方は「黄連解毒湯」、それらの症状に加え便秘症状がある場合は「三黄瀉心湯」か「桃核承気湯」。
虚証の場合、首や肩のコリ、イライラ、更年期、神経過敏の症状がある方は「加味逍遙散」。
高血圧がある場合、うつ症状や頭重感、肩こり、胃腸障害もある方は「釣藤散」、動脈硬化や皮膚の乾燥がある方は「七物降下湯」が候補になります。