陳皮読み方:チンピ 英語名:Citrus unshiu

温州みかんの皮を生薬・陳皮と呼び、かつては新しく新鮮なものを「橘皮」と呼んで区別していました。
陳皮は古いものほど良品とされており、身近なところでは七味唐辛子などに配合されています。

基本情報

別 名 橘皮、温州蜜柑(うんしゅうみかん)
学 名 Citrus reticulata
原 材 料 ミカン科ウンシュウミカン
薬用部位 素材の果実を用いる
採取・時期 熟成したミカンの外皮を陰干しにして乾燥しさせる
産 地 日本

漢方医学的情報

生薬分類 補気薬
薬 味 苦味, 辛味
薬 性 温性(食べると温かくなる)
薬効、薬理 健脾, 化痰, 理気
帰 経 脾経, 肺経
配合漢方薬 抑肝散加陳皮半夏六君子湯人参養栄湯二陳湯二朮湯補中益気湯補気建中湯平胃散分心気飲分消湯茯苓飲合半夏厚朴湯茯苓飲加半夏茯苓飲不換金正気散半夏白朮天麻湯八解散通導散釣藤散丁香柿蔕湯竹筎温胆湯蘇子降気湯疎経活血湯喘四君子湯清肺湯清暑益気湯清湿化痰湯神秘湯参蘇飲秦艽防風湯滋陰至宝湯滋陰降火湯柴蘇飲柴芍六君子湯五積散香蘇散香砂六君子湯香砂養胃湯香砂平胃散鶏鳴散加茯苓啓脾湯九味檳榔湯杏蘇散芎帰調血飲第一加減芎帰調血飲枳縮二陳湯加味平胃散加味温胆湯藿香正気散化食養脾湯温胆湯烏苓通気散烏薬順気散胃苓湯

一般情報

主用成分 精油:リモネン、リナロール、テルピネン; 配糖体:ヘスペリジン; フラボノイド:ノビレチン; ビタミンC、カロテン
主な効能 胃液分泌促進、胃運動、リパーゼ作用亢進、中枢抑制作用、血管収縮、血圧上昇、気管支筋弛緩作用など
病気への応用 芳香性健胃、駆風、鎮吐、鎮咳、去痰などに用いる
副作用---

ウンシュウミカン

 

こちらの関連ページもどうぞ

薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜