大黄読み方:ダイオウ 英語名:Rheum

中国原産のダイオウ類の根茎を、漢方では生薬・大黄と呼びます。
この生薬は古くから世界中で下剤として用いられてきました。

基本情報

別 名 将軍、川軍
学 名 Rheum
原 材 料 タデ科ダイオウ
薬用部位 素材の根茎を用いる
採取・時期 9~10月頃
産 地 中国

漢方医学的情報

生薬分類 瀉下薬
薬 味 苦味
薬 性 寒性(食べると寒くなる)
薬効、薬理 活血化瘀, 清熱瀉火, 通便, 駆瘀血
帰 経 肝経, 脾経, 大腸経, 胃経, 心包経
配合漢方薬

一般情報

主用成分 アントラキノン:クリソファノール、エモジン、アロエエモジン、カス酸、フィシオン、クリソファン酸、アロエエモジングルコシド; アントロン:レイノシドA~D、センノシドA~F; フェニルブタノン:リンドレイン; タンニン、スチルベン誘導体、ナフタリン誘導体、桂皮酸エステル、シュウ酸カルシウム、樹脂、でんぷんなど
主な効能 瀉下、抗菌、活性酸素消去、BUN低下、向精神、抗炎症、鎮痛作用など
病気への応用 漢方では消炎、瀉下、解毒、駆瘀血、利水などを目的に用いる
副作用---

大黄

 

こちらの関連ページもどうぞ

注目度の高いページもご覧下さい

  1. 木通
  2. 五積散
  3. 香附子
  4. 骨砕補
  5. 菖蒲根
  6. 拳参
  7. 附子
  8. 蟾酥
  9. 五倍子
  10. 女貞子

薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜