呉茱萸読み方:ゴシュユ 英語名:Tetradium ruticarpum

呉茱萸の実は独特の強い臭みがあり、味は辛くて苦く、血行障害や止痛作用などが期待できる生薬です。
民間では入浴剤としても用いられ腰痛や冷え性などに効果があります。

基本情報

別 名 呉萸
学 名 Evodia rutaecarpa
原 材 料 ミカン科ゴシュユ、ホンゴシュユ
薬用部位 素材の果実を用いる
採取・時期 11月頃、未成熟果実を採取し天日乾燥させる
産 地 中国

漢方医学的情報

生薬分類 温裏薬
薬 味 苦味, 辛味
薬 性 熱性(食べると熱くなる)
薬効、薬理 止痛, 温裏, 疏肝
帰 経 肝経, 脾経, 腎経, 胃経
配合漢方薬 当帰四逆加呉茱萸生姜湯呉茱萸湯奔豚湯定悸飲肘後方鶏鳴散加茯苓九味檳榔湯延年半夏湯温経湯

一般情報

主用成分 精油:オシメン、脂肪油:ゴシュユ酸、アルカロイド:エボジアミン、ルテカルピン、エボカルピン、苦味成分リモニン
主な効能 血流、呼吸促進作用、鎮痛、抗ヒスタミン作用、陣痛促進作用など
病気への応用 漢方では健胃、鎮痛、利尿を目的に、胃内停水、頭痛、嘔吐、胸満感の改善に用いる
副作用---

ゴシュユ

 

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薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜