乾姜読み方:カンキョウ 英語名:Ginger

日本ではヒネショウガの根を処理したものを生薬・乾姜と呼びますが、これは中国とは異なるようです。
体を温める効果に優れ、健胃や冷え性に用いられたり、附子と配合され相乗効果を高めて用いたりします。
生薬の効果が持続しやすいことも特徴です。

基本情報

別 名 干姜、生姜(しょうが)
学 名 Zingiber officinale
原 材 料 ショウガ科ショウガ
薬用部位 素材の根茎を用いる
採取・時期 11月頃、根を採取し皮とコルク層を取り除き蒸してから乾燥させる
産 地 東南アジア

漢方医学的情報

生薬分類 温裏薬
薬 味 辛味
薬 性 熱性(食べると熱くなる)
薬効、薬理 化痰, 温裏, 補陽
帰 経 心経, 脾経, 肺経, 腎経, 胃経
配合漢方薬 柴胡桂枝乾姜湯甘草乾姜湯乾姜人参半夏丸苓桂朮甘湯苓姜朮甘湯苓甘姜味辛夏仁湯人参湯補中益気湯附子理中湯加大黄附子理中湯附子人参湯茯苓四逆湯半夏白朮天麻湯半夏瀉心湯当帰湯中建中湯大防風湯大建中湯続命湯参蘇飲椒梅湯小青竜湯加石膏小青竜湯加杏仁石膏小青竜湯生姜瀉心湯四逆湯四逆加人参湯加大黄四逆加人参湯柴胡疎肝湯堅中湯桂枝人参湯甘草瀉心湯解急蜀椒湯黄連湯温脾湯

一般情報

主用成分 ジンゲロン、ショウガオール
主な効能 冷え症、血行促進、腹痛、腰痛、健胃など
病気への応用 芳香性健胃薬、新陳代謝の改善を目標に用いる
副作用---

生姜

 

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薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜