人参読み方:ニンジン 英語名:Chinese ginseng

古くから代表的な滋養強壮の生薬として有名な人参ですが、その名前の由来は根が人の形に似ていることからきています。
江戸時代から日本でも栽培されており、抗疲労、抗ストレス、血糖降下作用等を含む生薬です。

基本情報

別 名 朝鮮人参、高麗人参、薬用人参、御種人参(おたねにんじん)
学 名 Panax ginseng
原 材 料 ウコギ科オタネニンジン
薬用部位 素材の根を用いる
採取・時期 9〜10月頃、根茎を採取し天日で乾燥させる
産 地 中国, 韓国

漢方医学的情報

生薬分類 補気薬
薬 味 苦味, 甘味
薬 性 温性(食べると温かくなる)
薬効、薬理 健脾, 安神, 生津, 補気
帰 経 脾経, 肺経
配合漢方薬 人参養栄湯人参湯附子人参湯白虎加人参湯当帰芍薬散加人参四逆加人参湯加大黄四逆加人参湯厚朴生姜半夏人参甘草湯桂枝人参湯桂枝加芍薬生姜人参湯乾姜人参半夏丸六君子湯木防已湯女神散奔豚湯補中益気湯補気建中湯扶脾生脈湯附子理中湯加大黄附子理中湯茯苓四逆湯茯苓飲合半夏厚朴湯茯苓飲加半夏茯苓飲半夏白朮天麻湯半夏瀉心湯八解散麦門冬湯独活寄生湯当帰湯釣藤散肘後方中建中湯竹葉石膏湯竹筎温胆湯大防風湯大半夏湯大建中湯続命湯銭氏白朮散喘四君子湯千金内托散清熱補気湯清心蓮子飲清暑益気湯清肌安蛔湯参苓白朮散参蘇飲小続命湯小柴胡湯加桔梗石膏小柴胡湯生姜瀉心湯十全大補湯炙甘草湯滋腎明目湯四君子湯柴苓湯柴朴湯柴蘇飲柴芍六君子湯柴胡桂枝湯柴胡加竜骨牡蛎湯柴陥湯柴葛湯加川芎辛夷呉茱萸湯香砂六君子湯香砂養胃湯外台四物湯啓脾湯帰脾湯甘草瀉心湯加味四物湯加味帰脾湯加味温胆湯化食養脾湯解急蜀椒湯黄連湯延年半夏湯温脾湯温経湯胃風湯

一般情報

主用成分 チクセツサポニン Ⅰ, Ⅰa, Ⅰb, Ⅲ, Ⅳ, Ⅳa, Ⅴ
tochiban A, B glycoside P1
主な効能 チクセツサポニンに抗不安、去痰、鎮咳、抗炎症、抗潰瘍作用など。
病気への応用 強壮や解熱、去痰、健胃などを目標に、胃の熱や水分停滞、胸のつかえなどに用いる。
副作用---

オタネニンジン

 

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薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜