石膏読み方:セッコウ 英語名:Gypsum

正倉院にも収められていた生薬・石膏には軟石膏と硬石膏があり、薬用には軟石膏の繊維石膏が用いられます。
ギプスにも使用されているよく知られた素材です。

基本情報

別 名 ---
学 名 ---
原 材 料 硫酸カルシウム鉱石
薬用部位 鉱物性
採取・時期 ---
産 地 中国

漢方医学的情報

生薬分類 清熱薬
薬 味 甘味, 辛味
薬 性 寒性(食べると寒くなる)
薬効、薬理 止渇, 清熱, 除煩
帰 経 肺経, 胃経
配合漢方薬 竹葉石膏湯小青竜湯加石膏小青竜湯加杏仁石膏小柴胡湯加桔梗石膏桔梗石膏木防已湯麻杏甘石湯防風通聖散白虎湯白虎加人参湯白虎加桂枝湯釣藤散続命湯洗肝明目湯辛夷清肺湯消風散柴胡枳桔湯加五味柴葛解肌湯五虎湯桂枝二越婢一湯加朮附桂枝二越婢一湯桂枝越婢湯駆風解毒散越婢加朮附湯越婢加朮湯

一般情報

主用成分 天然の含水硫酸カルシウム、シリカ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなど
主な効能 止渇作用や臓器の亢進作用など
病気への応用 炎症性の疾患症状に対し、解熱、止渇、鎮咳などを目的にする
副作用---

砂漠の薔薇

 

こちらの関連ページもどうぞ

薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜