大蒜読み方:タイサン 英語名:Garlic

仏教では修行の妨げになるとして禁じられているニンニクの鱗茎を生薬・大蒜と呼びます。
ニンニクの活用例は古く、古代エジプトのピラミッド労働者や古代ローマの奴隷などの体力回復に用いられていたと言われています。

基本情報

別 名 蒜頭、葫、胡蒜(こさん)、ニンニク
学 名 Allium sativum
原 材 料 ユリ科ニンニク
薬用部位 素材の木部、茎、枝を用いる
採取・時期 地上部が黄味をがかる頃に鱗茎を採取し陰干する
産 地 日本

漢方医学的情報

生薬分類 駆虫薬
薬 味 辛味
薬 性 温性(食べると温かくなる)
薬効、薬理 健胃, 消腫, 駆虫
帰 経 大腸経, 胃経
配合漢方薬

一般情報

主用成分 イオウ化合物:アリイン、スコルジニン; ビタミンB1、ゲルマニウム、セレニウム
主な効能 殺菌防腐、抗酸化、抗血小板凝集、記憶力向上作用など
病気への応用 食滞、腹痛、下痢、寄生虫、皮膚化膿症などに用いる
副作用空腹時に摂取すると胃荒れ、貧血、ビタミンB6欠乏などを起こす場合がある

ニンニク

 

こちらの関連ページもどうぞ

薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜