紅花読み方:コウカ 英語名:Safflower

現在でも食品着色料や口紅の材料としても用いられている紅花ですが、これの花を生薬としても用いています。
月経不順などの婦人科疾患にも効果を発揮する生薬です。

基本情報

別 名 臙脂花、紅花(べにばな)
学 名 Carthamus tinctorius
原 材 料 キク科ベニバナ
薬用部位 素材の花を用いる
採取・時期 6月~7月頃、早朝に花を採取し水洗いで黄色色素を抜き2、3日発酵させてから手で揉み乾燥させる
産 地 日本, 中国, インド, ヨーロッパ, アフリカ

漢方医学的情報

生薬分類 活血薬
薬 味 苦味, 辛味
薬 性 温性(食べると温かくなる)
薬効、薬理 止痛, 活血化瘀, 通経
帰 経 肝経, 心経
配合漢方薬 補陽環五湯通導散治頭瘡一方折衝飲秦艽防風湯秦艽羌活湯蒸眼一方滋血潤腸湯芎帰調血飲第一加減葛根紅花湯膈下逐瘀湯

一般情報

主用成分 紅色色素:カルタミン; 黄色色素:サフラワーイエロー; フラボノイド:カルタミジン、ネオカルタミン; 脂肪油、リグナン
主な効能 鎮痛、鎮静、血流改善、抗炎症、血圧降下、発ガン抑制作用など
病気への応用 腹痛、婦人病に用いられる
副作用---

紅花

ベニバナ

 

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薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜