川芎読み方:センキュウ 英語名:Cnidium officinale

江戸時代に薬用植物として伝来され、日本薬局方にも収録されている生薬です。
活血作用や止痛作用などを期待できる生薬です。

基本情報

別 名 芎藭、撫芎、川芎(せんきゅう)
学 名 Ligusticum chuanxiong
原 材 料 セリ科センキュウ
薬用部位 素材の根茎を用いる
採取・時期 10~11月頃、根茎を採取し乾燥させる
産 地 中国

漢方医学的情報

生薬分類 活血薬
薬 味 辛味
薬 性 温性(食べると温かくなる)
薬効、薬理 止痛, 活血, 理気
帰 経 肝経, 胆経, 心包経
配合漢方薬 川芎茶調散柴葛湯加川芎辛夷加味逍遙散加川芎地黄葛根湯加川芎辛夷連珠飲抑肝散加陳皮半夏抑肝散加芍薬黄連抑肝散女神散補陽環五湯防風通聖散白朮散独活寄生湯当帰芍薬散加附子湯当帰芍薬散加人参当帰芍薬散加黄耆釣藤当帰芍薬散当帰散当帰飲子猪苓湯合四物湯治打撲一方治頭瘡一方大防風湯疎経活血湯続命湯千金内托散洗肝明目湯折衝飲清熱補血湯清上防風湯清上蠲痛湯小続命湯十味敗毒湯十全大補湯四物湯七物降下湯滋腎明目湯滋腎通耳湯紫根牡蛎湯酸棗仁湯柴胡疎肝湯柴胡清肝湯五物解毒散五積散荊防敗毒散荊芥連翹湯駆風触痛湯響声破笛丸芎帰調血飲第一加減芎帰調血飲芎黄散芎帰膠艾湯加味四物湯膈下逐瘀湯応鐘散温清飲温経湯烏薬順気散胃風湯

一般情報

主用成分 精油:リグスチリド、ブチリデンフタリド、ブチルフタリド、ネオクニジリド、クニジリド、セダノリド、センキウノリド; D-ブドウ糖、果糖、果糖、アミノ酸
主な効能 鎮静、血圧降下、筋弛緩、抗菌、末梢血管拡張作用など
病気への応用 冷え性、貧血、月経障害、血の道症などの婦人疾患に用いる
副作用多量摂取で中枢麻痺、運動麻痺、体温低下などの症状現われる

センキュウ

 

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薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜