熊胆読み方:ユウタン 英語名:Asian black bear

昔から重宝されてきた、熊の胆嚢を生薬・熊胆と呼びます。
含有成分には鎮痙、解熱、胆汁分泌促進作用などが認められています。

基本情報

別 名 熊の胆(くまのい)
学 名 Ursus thibetanus
原 材 料 クマ科ツキノワグマ、ヒグマの胆汁を乾燥したもの
薬用部位 動物性
採取・時期 ---
産 地 日本

漢方医学的情報

生薬分類 清熱薬
薬 味 苦味
薬 性 寒性(食べると寒くなる)
薬効、薬理 明目, 止痙, 清熱, 解毒
帰 経 肝経, 心経, 胆経, 胃経
配合漢方薬 六神丸、妙巧十一丸(反魂丹)、奇応丸、松井熊参丸

一般情報

主用成分 胆汁酸、胆汁色素、アミノ酸など
主な効能 胆汁分泌促進、コレステロール抑制、解毒効果
病気への応用 利胆、抗炎症、下熱、鎮痛、鎮痙の目的で内服し、結膜炎、痔などに外用する
副作用---

ヒグマ

熊胆 by Gammarus ru

 

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薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜