胃下垂・胃アトニーの漢方薬処方

これらの症状は胃が骨盤辺りまで垂れ下がってしまい消化力が低下する傾向にあります。
特別な病気ではなく女性の方や筋力が少ない虚証の方に多いとされています。
漢方治療ではこれらの症状を体質的な要素が強いものとして、全体的にアプローチし機能を回復・強化することを狙います。

最初の選択薬

まずは「六君子湯」が第一候補にあがります。
胃下垂などの症状は胃もたれや食欲不振を感じることが多く、血色不良の方の症状を改善します。

食欲不振を改善する

「六君子湯」で効果が薄い場合、まずは食欲不振を改善することを目標にしてみましょう。
胃の機能が回復すれば、胃は食べ物を欲するはずです。
疲労や倦怠感が強い場合は「補中益気湯」か「桂枝人参湯」を、明らかに体力が低下していると感じる方は「人参湯」が候補になります。

胃に水が溜まる

胃のあたりを軽く叩くとピチャピチャと水音がする方は以下を参考にして下さい。
お腹が張り消化不良を感じる方は「茯苓飲」か「茯苓沢瀉湯」、冷え性で頭痛やめまいなどがある方は「半夏白朮天麻湯」が候補になります。

その他

お腹や手足が冷える、胃痛がある方は「真武湯」か「大建中湯」、疲労感や下半身の脱力感、尿量減少、口が渇くなどの症状がある場合は「苓姜朮甘湯」が候補になります。

 

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虚実証とは

その人が生まれながらに持っている要素を「証」として分類したのが虚実証です。


実証
体格・骨格がガッチリしていて、筋肉量も多く、胃腸が丈夫な方。


虚証
体格・骨格が弱々しく、筋肉量も少なく、胃腸虚弱な方。


虚実間証
体格・骨格、筋肉量が普通で、胃腸も問題ない方。


自分が実証だと思う方は「実証~虚実間証」、虚証だと思う場合は「虚実間証~虚証」と判断すると漢方薬の選択が広がります。

陰陽証とは

陽証
冷たい飲み物や寒冷刺激を好む方、風邪で熱が出た時、身体が熱くなる方


陰証
温かい飲み物や温暖刺激を好む方、風邪で熱が出た時に寒くなる方


病気の進行状況によっても陰陽の表現が使われ、症状が強く現われる進行期を陽、病状が落ち着いてきた時を陰として判断する場合もあります。

気血水とは

漢方では気と血と水がバランス良く体内を流れることで健康を保つと考えられています。 「気」は根本的な生命エネルギーを表し、心身の活力や免疫に影響します。
「血」は血液やその機能、それによって運ばれる栄養、ホルモンなどを表します。
「水」は血液以外の体液や体内の水分、リンパ液や消化液、尿や汗などの機能を表しています。


気虚…気の量が不足し活力が低下している状態


気逆…気が上へと逆流している状態


気うつ(気滞)…気の流れが悪くなっている状態


瘀血…血流が悪くなり停滞している状態


血虚…血の量や機能が低下している状態


水滞(水毒)…余分な体液が体内に溜まった状態