痔の漢方薬処方
漢方薬による痔の治療は、主に「痔核(イボ痔)」に対して行われますが、このページでは切れ痔や痔ろうなどの処方についても記述していますので、証が合うようなら検討のうえお試し下さい。
イボ痔の場合はまず乙字湯
漢方での痔治療といったら、まずは乙字湯が第一の選択薬になります。
リンクから乙字湯の証を確認し、合う様なら1週間ほど試してみると良いでしょう。
もし効果が現れない場合は、以下の表を参考にご自身に合う漢方薬を探してみてください。
それでは「証」ごとの処方をご紹介します。
実証の方の痔治療
実証で痔持ちの方は便秘を伴い易く、まずは便秘の強さで処方を選択します。
強く頑固な便秘の方には「桃核承気湯」が考えられます。
そして、便秘は普通で上腹部が固い方には「四物湯」、下腹部に圧痛・抵抗がある方は「大黄牡丹皮湯」が考えられます。
虚実間証の方の痔治療
出血、のぼせ症状があり便秘では無い方は、「桂枝茯苓丸」、出血の際に貧血症状もある方で下腹部に抵抗・圧痛がある方は「芎帰膠艾湯」を選択してください。
虚証の方の痔治療
体力が低下傾向にあり、食欲不振の方、脱肛がある方は「補中益気湯」を。便秘や下痢症状があり、冷え性やめまいなどもある女性の方は「当帰芍薬散」を試してみましょう。
切れ痔の場合
切れ痔の場合、出血症状がある時を急性期とします。
この時、実証の方はまず「大柴胡湯」を選択します。出血症状が強い場合や虚実間証の方は「黄連解毒湯」を選択しましょう。
出血症状が和らいだら「十全大補湯」に切り替え経過を見守ります。
痔ろうの場合
虚実間証の方は「排膿散及湯」を、虚証の方は「十全大補湯」を選択します。