逆流性食道炎の漢方薬処方

逆流性食道炎とは胃酸が食道に逆流し、胃と食道の境目辺りに炎症を引き起こす病気です。
胃酸過多の場合やストレス、姿勢など誘発原因は様々ですが、漢方薬で体質を改善しながら胃腸のトラブルを少なくするような治療をしてみましょう。

六君子湯

漢方胃薬の代表的な薬で主に虚実間証や虚証の方に用いられます。
実証の方も弱い薬から試すという意味で、この薬から始めても良いと思います。

半夏瀉心湯

こちらも有名な胃薬で、精神的な要素の強い胃腸のトラブルに対応しています。
六君子湯で効果が弱いと感じる方はこちらも試してみて下さい。

茯苓飲合半夏厚朴湯

こちらも精神的な要素の強い症状に効果のある薬です。
特に咽に何かつまったような異物感がある場合、たとえば錠剤を飲み込んだとき、何時までも咽につかえて残っているような感覚がある方に効果があります。

 

虚実証とは

その人が生まれながらに持っている要素を「証」として分類したのが虚実証です。


実証
体格・骨格がガッチリしていて、筋肉量も多く、胃腸が丈夫な方。


虚証
体格・骨格が弱々しく、筋肉量も少なく、胃腸虚弱な方。


虚実間証
体格・骨格、筋肉量が普通で、胃腸も問題ない方。


自分が実証だと思う方は「実証~虚実間証」、虚証だと思う場合は「虚実間証~虚証」と判断すると漢方薬の選択が広がります。

陰陽証とは

陽証
冷たい飲み物や寒冷刺激を好む方、風邪で熱が出た時、身体が熱くなる方


陰証
温かい飲み物や温暖刺激を好む方、風邪で熱が出た時に寒くなる方


病気の進行状況によっても陰陽の表現が使われ、症状が強く現われる進行期を陽、病状が落ち着いてきた時を陰として判断する場合もあります。

気血水とは

漢方では気と血と水がバランス良く体内を流れることで健康を保つと考えられています。 「気」は根本的な生命エネルギーを表し、心身の活力や免疫に影響します。
「血」は血液やその機能、それによって運ばれる栄養、ホルモンなどを表します。
「水」は血液以外の体液や体内の水分、リンパ液や消化液、尿や汗などの機能を表しています。


気虚…気の量が不足し活力が低下している状態


気逆…気が上へと逆流している状態


気うつ(気滞)…気の流れが悪くなっている状態


瘀血…血流が悪くなり停滞している状態


血虚…血の量や機能が低下している状態


水滞(水毒)…余分な体液が体内に溜まった状態