白芍読み方:ビャクシャク 英語名:Paeonia lactiflora

中国原産のシャクヤクの根の皮を除いたものを、漢方では生薬・白芍と呼んでいます。
皮を付けたままのものを「赤芍」と呼びます。

基本情報

別 名 白芍薬、杭白芍、芍薬(しゃくやく)
学 名 Paeonia lactiflora
原 材 料 ボタン科シャクヤク
薬用部位 素材の根を用いる
採取・時期 9~11月頃、根を採取しコルク層を除いて蒸してから天日乾燥させる
産 地 中国

漢方医学的情報

生薬分類 活血薬
薬 味 酸味, 苦味
薬 性 寒性(食べると寒くなる)
薬効、薬理 止痛, 補血
帰 経 肝経
配合漢方薬 抑肝散加芍薬黄連当帰芍薬散加附子湯当帰芍薬散加人参当帰芍薬散加黄耆釣藤当帰芍薬散芍薬甘草附子湯芍薬甘草湯桂枝芍薬知母湯桂枝加芍薬湯桂枝加芍薬大黄湯桂枝加芍薬生姜人参湯連珠飲薏苡仁湯麻子仁丸人参養栄湯補陽環五湯防風通聖散分心気飲扶脾生脈湯八味逍遙散排膿散及湯排膿散独活寄生湯独活葛根湯当帰湯当帰四逆湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯当帰散当帰建中湯当帰飲子猪苓湯合四物湯中建中湯大防風湯大柴胡湯去大黄大柴胡湯疎経活血湯洗肝明目湯折衝飲清熱補血湯清熱補気湯真武湯神仙太乙膏逍遙散升麻葛根湯小続命湯小青竜湯加石膏小青竜湯加杏仁石膏小青竜湯小建中湯十全大補湯四物湯七物降下湯滋腎明目湯滋腎通耳湯紫根牡蛎湯滋血潤腸湯四逆散滋陰至宝湯滋陰降火湯柴芍六君子湯柴胡疎肝湯柴胡清肝湯柴胡桂枝湯柴葛湯加川芎辛夷柴葛解肌湯五淋散五積散牛膝散甲字湯堅中湯桂麻各半湯桂枝茯苓丸料加薏苡仁桂枝茯苓丸桂枝二越婢一湯加朮附桂枝二越婢一湯桂枝湯桂枝加苓朮附湯桂枝加竜骨牡蛎湯桂枝加朮附湯桂枝加厚朴杏仁湯桂枝加葛根湯桂枝加黄耆湯桂枝越婢湯荊芥連翹湯芎帰調血飲第一加減芎帰膠艾湯帰耆建中湯加味逍遙散加川芎地黄加味逍遙散加味四物湯葛根湯加川芎辛夷葛根湯葛根紅花湯葛根加朮附湯加減涼隔散解労湯黄連阿膠湯黄芩湯黄耆建中湯黄耆桂枝五物湯温清飲温経湯烏苓通気散胃苓湯胃風湯

一般情報

主用成分 モノテルペン配糖体:ペオニフロリン、オキシペオニフロリン、アルビフロリン; タンニン、ショ糖
主な効能 抗炎症、抗アレルギー、胃運動亢進、中枢抑制、血液粘度低下抑制、赤血球変形能亢進、血小板凝集抑制、黄体機能促進、鎮静、鎮痛、鎮痙、血圧降下、血管拡張、平滑筋弛緩、血中尿素低下作用など
病気への応用 腹部膨満感、腹痛、下痢、手足のひきつれなどに用いる
副作用---

シャクヤク

 

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薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜