胃苓湯読み方:イレイトウ

適応する病気・病症

冷え性、暑気あたり、胃炎、食中毒、腹痛、腸炎、等

上記の病名は順不当で本漢方薬の効果が適した順番に並んでいる訳ではありません。
胃苓湯がご自分の状態(体格や体力、症状など)に合うか、以下の項目をチェックして下さい。病名は合致しても、その人の体の症状や体格、傾向と合わない場合、漢方薬の効果をあまり感じられません。

気血水 水毒(水滞)
陰陽証 陽証(熱証、風邪の時に熱がったり、冷たい飲み物や寒冷刺激を好む人)に有効
虚実証 虚実間証(体力や体格は普通で反応も通常の範囲の人)に有効
現在の状態
  1. 腹痛
  2. 水様性の下痢
  3. 口の乾き
  4. 嘔吐や吐き気
  5. 尿量の減少
  6. むくみ
お腹の状態 腹壁は少し軟弱だが、ある程度の緊張がある
脈の感じ ひどく弱くはない
舌の見た目 不定

胃苓湯(イレイトウ)は上記の様な症状の方に有効な漢方薬処方です。

服用期間の目安

急性胃腸炎は2日程度、食あたり、暑気あたりには1週間程度、その他は一ヶ月ぐらい服用する

副作用や注意点

5歳未満は服用してはいけません

皮膚に発疹やかゆみが出た場合は服用を中止してください

配合されている生薬

蒼朮厚朴陳皮猪苓沢瀉白朮茯苓桂皮大棗生姜甘草芍薬縮砂黄連 

胃苓湯を扱う漢方関連会社

クラシエ、大峰堂薬品、剤盛堂薬品

 

虚実証とは

その人が生まれながらに持っている要素を「証」として分類したのが虚実証です。


実証
体格・骨格がガッチリしていて、筋肉量も多く、胃腸が丈夫な方。


虚証
体格・骨格が弱々しく、筋肉量も少なく、胃腸虚弱な方。


虚実間証
体格・骨格、筋肉量が普通で、胃腸も問題ない方。


自分が実証だと思う方は「実証~虚実間証」、虚証だと思う場合は「虚実間証~虚証」と判断すると漢方薬の選択が広がります。

陰陽証とは

陽証
冷たい飲み物や寒冷刺激を好む方、風邪で熱が出た時、身体が熱くなる方


陰証
温かい飲み物や温暖刺激を好む方、風邪で熱が出た時に寒くなる方


病気の進行状況によっても陰陽の表現が使われ、症状が強く現われる進行期を陽、病状が落ち着いてきた時を陰として判断する場合もあります。

気血水とは

漢方では気と血と水がバランス良く体内を流れることで健康を保つと考えられています。 「気」は根本的な生命エネルギーを表し、心身の活力や免疫に影響します。
「血」は血液やその機能、それによって運ばれる栄養、ホルモンなどを表します。
「水」は血液以外の体液や体内の水分、リンパ液や消化液、尿や汗などの機能を表しています。


気虚…気の量が不足し活力が低下している状態


気逆…気が上へと逆流している状態


気うつ(気滞)…気の流れが悪くなっている状態


瘀血…血流が悪くなり停滞している状態


血虚…血の量や機能が低下している状態


水滞(水毒)…余分な体液が体内に溜まった状態