不眠症の漢方薬処方
不眠症には、なかなか寝付けない入眠障害型と、睡眠中に目が覚めたり早く起きすぎてしまったりする熟眠障害型があります。
漢方治療では不眠自体を治療するのではなく、原因となる何らかの症状を改善し、身体と精神のバランスを整えて不眠障害が起こらないように働きかけます。
実証の処方
抑うつ、精神不安やイライラ、肋骨下の圧痛や不快感、ヘソ上の動悸などある方は「柴胡加竜骨牡蛎湯」、高血圧、のぼせ、胃のつかえ感、精神不安などある方は「黄連解毒湯」が候補になります。
虚実間証の処方
神経過敏でイライラし怒りっぽい、興奮症状やけいれんなどある方は「抑肝散加陳皮半夏」、憂鬱で不安、イライラし冷え性もある方は「半夏厚朴湯」や「加味逍遙散」が候補になります。
虚証の処方
精神不安がある場合、神経過敏でイライラし、のぼせ症状やヘソ上の動悸などある方は「桂枝加竜骨牡蛎湯」、胸苦しく眠気があり心身疲労している方は「酸棗仁湯」、胃腸虚弱で食欲不振、抑うつ傾向がある方は「香蘇散」、それに加え気力低下や貧血がある方は「帰脾湯」。
神経過敏な雰囲気がある場合で、イライラ怒りっぽく痙攣症状もある方は「抑肝散」、神経症やヒステリーがある方は「甘麦大棗湯」が候補になります。