黄耆読み方:オウギ 英語名:Astragalus root

キバナオウギの根を処理したものを生薬・黄耆と呼びます。
黄耆は別名「瘡家(皮膚の腫れ物など)の要薬」とも言われており、皮膚の化膿症治療に古くから用いられてきました。
黄耆の葉は「ペイチー茶」といして日本でも販売されており、アメリカではアストラガルスという名で、アンチエイジングや男性強壮効果のある健康食品として販売されています。

基本情報

別 名 綿黄耆、アストラガルス
学 名 Astragalus membranaceus
原 材 料 マメ科キバナオウギ
薬用部位 素材の根を用いる
採取・時期 秋頃、根を採取し天日乾燥させる
産 地 中国, 韓国

漢方医学的情報

生薬分類 補気薬
薬 味 甘味
薬 性 温性(食べると温かくなる)
薬効、薬理 利水消腫, 托毒, 止汗, 補気
帰 経 脾経, 肺経
配合漢方薬 防已黄耆湯当帰芍薬散加黄耆釣藤桂枝加黄耆湯黄耆建中湯黄耆桂枝五物湯人参養栄湯補陽環五湯補中益気湯防已茯苓湯扶脾生脈湯半夏白朮天麻湯当帰湯当帰飲子大防風湯千金内托散清心蓮子飲清暑益気湯秦艽羌活湯十全大補湯七物降下湯紫根牡蛎湯玉屏風散帰脾湯帰耆建中湯加味帰脾湯

一般情報

主用成分 イソフラボン:ホルモノネチン、3-ヒドロキシ-9,10-ジメトキシプテロカルパン、サポニン:アストラガロシドⅠ〜Ⅷ
主な効能 サポニン類によるストレス抑制、細胞内皮系の活性化作用。
病気への応用 腎臓炎、止汗、利尿、強壮、血圧降下、皮膚の化膿症など
副作用---

キバナオウギ photo Doronenko

 

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薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜