黄芩読み方:オウゴン 英語名:Scutellaria baicalensis

抗炎症作用を期待できるコガネバナの根から作られる生薬を黄芩と呼びます。
中国、モンゴルなどが原産で日本では現在も残る小石川御薬園にて江戸時代に栽培されました。
北米では近緑植物であるスカルキャップを薬草として用いられています。

基本情報

別 名 淡黄芩、条芩、黄金花
学 名 Scutellaria baicalensis
原 材 料 シソ科コガネバナ
薬用部位 素材の根を用いる
採取・時期 4〜5月、10〜11月。 根茎を掘り出し外皮を取り除いてから天日乾燥させる
産 地 中国, 韓国, モンゴル

漢方医学的情報

生薬分類 清熱薬
薬 味 苦味
薬 性 寒性(食べると寒くなる)
薬効、薬理 安胎, 清熱, 燥湿, 解毒
帰 経 心経, 肺経, 胆経, 小腸経, 大腸経
配合漢方薬 三物黄芩湯葛根黄連黄芩湯黄芩湯竜胆瀉肝湯女神散二朮湯補気建中湯防風通聖散半夏瀉心湯当帰散大柴胡湯去大黄大柴胡湯洗肝明目湯清肺湯清心蓮子飲清上防風湯清上蠲痛湯清湿化痰湯清肌安蛔湯辛夷清肺湯小続命湯小柴胡湯加桔梗石膏小柴胡湯生姜瀉心湯潤腸湯滋腎通耳湯三黄瀉心湯柴苓湯柴朴湯柴蘇飲柴胡清肝湯柴胡桂枝湯柴胡桂枝乾姜湯柴胡枳桔湯加五味柴胡加竜骨牡蛎湯柴梗半夏湯柴陥湯柴葛湯加川芎辛夷柴葛解肌湯五淋散荊芥連翹湯駆風触痛湯甘露飲甘草瀉心湯加味解毒湯加減涼隔散乙字湯去大黄乙字湯黄連解毒湯黄連阿膠湯温清飲

一般情報

主用成分 バイカリン、バイカレイン、オウゴノシド、オウゴニン
主な効能 バイカリンなどによる利尿、緩下(緩やかに排便を促す)抗炎症、抗アレルギー作用
病気への応用 炎症や胃のつかえ、下痢、腹痛などを伴う症状に対して使用されれる。
副作用---

コガネバナ

 

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薬味とは

生薬はその味によって五味(酸、苦、甘、辛、鹹)に分類されます。


酸味… 散らばったものを収める働きがあり、肝、胆、目、筋の機能を補います。


苦味… 軟らかいものを引き締め、熱状を鎮め、湿りを乾かす働きがあり、心、小腸の機能を補います。


甘味… 激しいものを緩め薄める働き(緩和作用)や足らないものを養い補っていく働きがあり、脾、胃をはじめ消化器系の機能を補います。


辛味… 気や血の滞りを散らし、発散させる働きがあり、肺、大腸、鼻、皮膚の機能を補います。


鹹味(カンミ、塩辛い味)… 乾きを潤し、硬いものを軟らかくし、水分の調節をする働きがあり、腎、膀胱、耳、骨髄の機能を補います。

薬性とは

生薬が身体を温めるか冷ますかなどの度合いを表したものを「薬性」と呼び、主に5つに分類されます。


…身体を強く冷やす効果がある。


…「寒」より穏やかに身体を冷やす効果がある。


…身体に熱的な影響を及ぼさない。


…身体を穏やかに温める効果がある。


…身体を強く温める効果がある。


さらに効果の高い「大寒、大熱」なども分類されます。

帰経とは

その生薬が作用する経絡、臓腑などを表したものを「帰経」と呼びます。


五蔵:心…心臓、循環機能や自律神経、「神」とも呼ばれ意識や思考なども表しています。


五蔵:肺…肺、呼吸機能や体温調節を表しています。


五蔵:脾…消化器全般の消化・吸収機能を表しています。


五蔵:肝…肝臓や目、自律神経、中枢・運動神経などを表しています。


五蔵:腎…泌尿・生殖器や内分泌系を表し、気を蓄える所とされています。


六腑:小腸…脾の一部である小腸の吸収機能などを表しています。


六腑:大腸…大腸を表し水分代謝に関係しています。


六腑:胆…胆嚢を表し肝の機能の一部を担います。


六腑:胃…胃を表し脾の初期消化を担います。


六腑:膀胱…膀胱を表し腎機能の尿を貯留を担います。


六腑:三焦…水分代謝全般を表します。


心包…五臓:心を包む膜